鉄の強度でアルミの軽さ実現の複合素材、新たに2種類の成型技術で特許を取得

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Press Release

2021年2月25日

アドバンスコンポジット株式会社

 

鉄と同じ硬さでアルミ並みに軽い複合素材「AC-Albolon®︎」 新たに2種類の成型技術で特許を取得 アドバンスコンポジット、溶湯鍛造法の応用可能性を広げる

     

(AC-Albolon®︎の部品や治具への応用例。写真左は空気圧縮機用スクロール、右は 半導体製造装置用治具)


特許取得の強化材成型技術

「粒子充填法」     「沈降法」    「プレス法」

(特許を取得した「粒子充填法」「沈降法」「プレス法」の仕組み図)

 

 金属素材・複合材開発インキュベーターのアドバンスコンポジット株式会社(静岡県富士市大渕2259番地9、代表取締役:庄司隆敏)は25日、「溶湯鍛造法」(※後述)という技術を用いて成型する複合素材「AC-Albolon®︎」を成型する技術のうち、既に国内特許を取得している「粒子充填(じゅうてん)」に加えて、「沈降法」「プレス法」と呼んでいる2種類の技術で新たに国内特許を取得しましたので、お知らせいたします。

 

 AC-Albolon®︎は、アルミニウムと比較して高強度(引張強度)を保ちながら、アルミニウムと同程度の密度を持ち軽量化ができる利点のある、当社が開発して実用化を進めてきた新しい複合素材です。今後、軽量化によって多大なメリットがもたらされる電気自動車や半導体製造装置から、家電・重電などの民生品や産業用ロボットにまで幅広く応用できるのが特長です。軽くて長期間の利用が可能な高強度の金属基複合素材として、様々な業界から注目を集めています。

 

 アドバンスコンポジットはAC-Albolon®︎の用途開発と同時に、多方面で必要とされる複合素材をより簡便で、より低コストで実現できる成型技術の研究開発をも進めています。その中で、業界に先駆けて3種類の新しい技術を開発し、特許を取得するに至ることができました。以下に、それぞれの成型技術が持つ特徴とメリットを解説します(AC-Albolon®︎についての研究論文は、「ホウ酸アルミ強化アルミ基複合材料の特性に及ぼす成形条件の影響」の題名にて来秋に発表する予定です)。

 

●AC-Albolon®︎の優位性と「溶湯鍛造法」について

 AC-Albolon®︎は特殊セラミックスとアルミ合金を複合化させた材料特性をもっているのが最大の特徴です。鋳鉄と同等の高強度・高ヤング率(高剛性で変形しにくい、変形量が小さい)・高耐摩耗性があると同時に、アルミと同程度の軽さとなっています。同時に、熱膨張率は低い特性(アルミとセラミックスの中間)を持ち、さらには「ワイヤー放電加工が可能」「切削加工しやすい」「ハンダがつかない」「減衰特性に優れる(振動が止まりやすい)」などの大きな利点をあわせ持っています。

 

 これを実現できる基盤技術となったのが、「溶湯鍛造法」と呼ばれる高圧鋳造技術です。金型に溶けた金属(溶湯)を入れ、高い圧力を加えて凝固(成型)させる方法により特性の優れた素材を鋳造する方法です。

 

溶湯鍛造法での複合金属の作り方

資料(AC-Albolon製造技術)-1

 AC-Albolon®︎は軽量で強度が高いことから、これまでアルミ素材を利用していた部材の長寿命化(交換頻度が減り長く利用できる)が可能になる一方で、鋳鉄を利用していた部材については大幅に軽量化できるメリットがあります。このため製品化した場合の自重を軽くできるほか、低コスト・低燃費・高効率化を可能とする素材として、研究開発機関やメーカーなどにご利用いただけます。

 

●特許を新たに取得した3種類の成型技術――「粒子充填法」「沈降法」「プレス法」

 複合材料を巡っては、これまでにも多くの企業で研究・開発がなされてきましたが、手間とコストがかかり、また量産に向かないなどの難点もあったため、利活用される実績が少ない状況にありました。

 

 当社アドバンスコンポジットはこの難しい課題を解決すべく、様々な成型手法について研究を重ね、今日では強化材の成形技術・方法を計3種類開発しました(強化材は一般的に、予備成形体、又はプリフォームなどと呼ばれています)。

 

①「粒子充填法」の特徴とメリット・デメリット

 粒子充填法は、鉄でできた四角形などの升(ます)状の型枠に、まずセラミックス粉末をつめ込み(充填し)ます。振動をかけて充填した粉末を締め固めた状態で型枠ごと高圧プレス機の金型の中に置いて、その上から溶湯したアルミ材料を注ぎ込み、上から圧力をかけていくことでアルミをセラミックス素材の中に含侵させ、複合化します。これが冷え固まるとAC-Albolon®︎になります。鉄の型枠部分は切断して取り除きます。

 粒子充填法は最も簡便で工程が少なく、成型しやすい技術です。生産性が高い成型技術であるといえるでしょう。

 一方で、セラミック粉末に溶湯アルミを流し込み加圧して成型することで、粒子が流動するために、成型後のAC-Albolon®︎には「メタルフロー」と呼ばれる筋やマーブル(大理石)状の模様が、微妙に浮き出ることがあります。組成・特性には大きな影響はありませんが、主に外観上の観点からその部分を避けて使用するなどの用例もあります。

 

②「沈降法」の特徴とメリット・デメリット

 沈降法は、セラミックスの粉末粒子を互いに結合させるバインダと呼ばれる流動素材と混合し、振動をかけながら液体の中で沈ませることで固めます。この作業によって凝結した板状の固形物を作り、これを焼き固めることで形状の安定と強化を図ったプリフォームを作ります。そのプリフォームを高圧プレス機の金型の中に置いて、上から溶湯したアルミ素材を注ぎ込み、圧力をかけることでアルミをセラミックス内に含侵させて、AC-Albolon®︎を作り出します。

 沈降法は液体にセラミック素材を沈めて定着させ、その後に焼成する時間が必要となり、「粒子充填法」に比べて追加工程と作業時間に手間を掛けることが特徴です。

 この一工夫により、より強固となったセラミック素材のプリフォームにアルミを含浸させるため、前述のメタルフローの発生は皆無であり、外観上の品質や最先端技術・特殊用途の要求にも耐えうる素材として、AC-Albolon®︎が利用できる産業分野や応用範囲を広げることができる成型技術だといえます。

 

③「プレス法」の特徴とメリット・デメリット

 プレス法は、①粒子充填法と②沈降法の両方が持つ利点を合わせた成型技術といえます。まず、セラミックス素材の強化材作成のため、プレス成型機金型にセラミックス粉末を充填 (複合素材の使用目的によりバインダも混合)したところに、プレス圧をかけて凝固させ、それを焼き固めて板状のプリフォームにします。振動を加える工程や沈降に必要な時間を省く点に特徴があり、メタルフローの発生も抑えることが可能となります。

 一方で、セラミック粉末を単純に圧力で固めるプレス成型機の能力・規格に依存するため、現時点ではプリフォームそのものは大きく成型できず、AC-Albolon®︎で大型の部品を加工したい場合などには不向きです。用途は限定される面がありますが、沈降法と同様に強度が高くメタルフローなどがない状態のAC-Albolon®︎を高い生産性で大量供給できるメリットがあります。

 

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 国連が「SDGs」(持続可能な開発目標)を掲げるなど世界規模でのサステナビリティ(持続可能性)と社会的な発展の推進が求められるようになる中、既存の金属素材を用いて従来通りの大量生産・大量消費することは「世界的に限界にきている」と指摘されています。そこで、軽量なうえに強度が高く、長い期間の利用にも耐えうる金属基複合素材は、世界的に高まるサステナビリティ推進の観点から、今後は多国・多地域にて各方面での応用が期待される新しい素材であり、「粒子充填法」は先行してEUおよび中国で特許申請中です。

 当社が新開発したAC-Albolon®︎は、こうした新しい時代の要請にも応えうる大きな可能性を持ち、また「ものづくり日本」のさらなる成長・発展・海外展開を期する新しい複合素材として、国内企業を中心にパートナーシップを組んで、更なる研究開発を進めてまいります。

 

 

アドバンスコンポジット会社概要

会社名:アドバンスコンポジット株式会社

所在地(本社):〒417-0801 静岡県富士市大渕2259番地9

電話番号:0545-32-7904

FAX番号:0545-32-7905

設立年月日:設立2015年7月22日

資本金:2億円

代表取締役社長:庄司 隆敏

ホームページ:https://advance-composite.co.jp/

 

(静岡県富士市にある本社の全景=写真左=と敷地より望む富士山)

 

[AC-Albolon®︎AC-Albolonについてのお問い合わせ先]

アドバンスコンポジット株式会社

担当:石田公一(営業部 部長)

電話番号(オフィス):0545-32-7904

携帯電話:090-7352-1551

メールアドレス:ishida@advance-composite.co.jp

 

[このプレスリリースに関するお問い合せ先]

 エル ステュディオ インターナショナル(共同通信PRワイヤー販売代理店)

 担当:さかより のりこ(代表取締役 メディアプロデューサー)

 メール:l_studio_international@yahoo.co.jp

 携 帯:090-8110-9564

 

 

【資料】

溶湯鍛造法の製法区分と生産工程

 

 

以上

 

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